月: 2021年6月

誰にでも優しいユニバーサルデザインエクステリアの考え方

高齢者や障がい者に優しい住まい造りとして、バリアフリーという考え方が日本でもすっかり定着しました。段差を無くしたり、スロープや手すりを付けるなどにより、高齢者や障がい者でも安心して生活することができます。

しかしバリアフリーは高齢者や障がい者についてよく考えられていますが、健常者について後回しとなりがちです。そこで最近注目されるようになってきたのがユニバーサルデザインの考え方です。これは高齢者も障害者も健常者も、どんな人でも使いやすい住まい造りを意味しています。健常者もやがては年を取るわけです。また急に親と同居することになるケースも少なくありません。そのときになって慌ててバリアフリー化するよりも、初めからユニバーサルデザインの考えのもとに設計されているならば安心というメリットもあります。

バリアフリーとユニバーサルデザインのエクステリアにおける分かりやすい違いの例として、スロープを挙げることができます。バリアフリーにおけるスロープは、車いすをきちんと押して通ることができるように90cm以上が必要とされています。これに対してユニバーサルデザインでは120cm以上のスロープとなります。これにより健常者と車いすの方がすれ違うことができるわけです。

また駐車場を例に挙げると、車いすの方でも楽に乗り降りができるように車から120cm程度の距離が確保できるように広めにします。車いすの人がいない場合でも、広々とした駐車場は駐車が楽なので決して無駄なスペースではありません。

花壇を作る場合であれば、車いすでも通れるような小道を作ったり、立ち上がりのあるプランターにすることで、車いすからでもガーデニングができるようになります。健常者にとっても少し高い位置にお花などが来ると、見やすくもなるメリットもあります。

ユニバーサルデザインの考えのもとにエクステリアが考えられていても、それを意識させない自然なデザインにすることで、見栄えも良く、生活しやすいエクステリアとなることでしょう。